マズロー入門してみた。
こんにちは。転職エージェントの澤田 ( @axxis_sawada) です。
本を読んだり、仕事の中で多くの方の転職活動をサポートしながら「なぜ働くのか」について考えていたところ、
その問いの先には「なぜ生きるのか」という大きなテーマが潜んでいることを感じました。
そこで、今の自分が唯一知っている思想、マズローの欲求の階層についてとりあえず、勉強しようと思って マズロー心理学入門: 人間性心理学の源流を求めて を読み始めました。
マズローがどんな背景で、その思想に至ったのかについても解説されていて、個人的にはすごく読みやすくわかりやすい、入門という言葉にふさわしい本だったと思います。
特にこの本には、マズローの定義する自己実現についての解説が多く、自己実現を支援する仕事をしている僕にとって、学びの多い本でした。
欲求の階層のポイント
上記の図は、多くの人がみたことのあるマズローの五段階欲求と言われるものです。
この本を読んで新しく気づいたポイントは以下の二つ。
- 低次の欲求が満たされると、より高次の欲求が現れること
- 欲求の階層は不動なものでなく、流動的な場合があること
- 高次の欲求ほど緊急度が低いこと
低次の欲求が満たされると、より高次の欲求が現れること
これは、何となく知ってはいたが、文章として読んだことでハッとした。
どうしてか。僕は、仕事の中で、多くの方に「あなたはどうなりたいですか」と質問をしてしまっていたのです。
答えられない人が多かったのは、きっとその欲求がまだ現れていなかったケースもあったのだ、と思いました。
顧客に感謝されたい、残業が多すぎる、パワハラを受けている...
自己実現以下の階層が満たされていない中で、「自分がどうなりたいか」について考えることは難しいのかもしれません。
「あなたはどうなりたいのですか」この質問を投げかけて良いのは、それらが満たされているのだけど、どうしたいかがわからない人。
自己実現の階層にたどり着いているが、何がしたいかわからない、と言う方には、そういった質問から、自己実現を叶えるサポートができるかもしれません。
欲求の階層は流動的である
この存在には注意をしないといけません。。
とにかくこんなことがやりたい!という強い思いがある人には、一般的な市場価値などの概念を当てはめず、やりたいことをどう実現するかの深掘りを進める必要あると思いました。
本の中では、画家のゴッホがその例として挙げられています。
転職エージェントを初めて間もない頃に「こんなことをやりたい!」と言う転職相談者に対して、市場価値を正面からぶつけてしまい、支援ができなかった方がいました。
サポートをする僕側の人間は、そういった階層や特徴があることをしっかり理解して、仕事に臨む必要があることを強く感じました。
高次の欲求ほど緊急度が低いこと
高次な欲求は、社会的動物である人間が進化の過程で、感じるようになった欲求です。
よって、高次の欲求ほど、生物的な優先順位が低く抽象的です。
これがの緊急度の低さが自己実現をサポートする上で、もっとも難しい点だと思っています。
- 現状に特に不満はないのだけど、なんかモヤモヤする。
- 自己実現、できればいいけど、なんだかんだ今は忙しいし。
人は誰しもよくなりたいと思っています。
ただ、緊急度が低くそのための行動が取れていないだけなのです。
これを知ることでもっと人に優しくなれる気がしました。
逆に、自分自身にベクトルを向けて見ると、
その緊急度を意図的に高めていかなければ、なにも成し遂げることはできません。
自己実現者の共通点とは
この言葉は、人の自己充足への願望、すなわちその人が潜在的にもっているものを実現しようとする傾向をさしている。この傾向は、よりいっそう自分自身であろうとし、自分がなりうるすべてのものになろうとする願望といいえるであろう。
マズローは、自己実現について、著書で上記のように定義しています。
先に書いたように、欲求の階層を積み上げてきて、何か自己実現を目指したいと思っている方は、ここにヒントがあるかもしれません。
- 潜在的に持っているものって何だろう?
- どうやったら実現させることができるのだろう?
上記の二段階に分けて、自己実現を叶えるサポートがあるかもしれないと思いました。
そのためには、別途勉強の必要がありそうです。。
また、自己実現者の特徴として、マズローは15の特徴を挙げています。
15の中に重複しているのでは?と思うものもあるのですが、その若干の違いがマズローの思想が難しいと言われる所以だそうです。
特に重要だと感じた3つを紹介します。
- 現実をより有効に知覚し、それとより快適な関係を持つこと
- 課題中心的
- 自律性
現実をより有効に知覚し、それとより快適な関係を持つこと
まず、初めに挙げられているのがこの特徴です。
現実を歪めず、まっすぐに受け止めその現実とより良い関係を築くこと。
言うは易し行うは難しですね。。
僕は、どうしても自分の都合の良い解釈をしてしまいがちです。
その現実を拒絶することなく、まずは受け止めること。それが自己実現の初めのステップなのかもしれません。
課題中心的
自己実現者は自分自身の問題でない課題を持っている、と言う考えです。
使命と言う表現の方がイメージしやすいでしょうか。
表面的な価値、目の前のKPIや売上ももちろん大切です。
その中にある、あなたの仕事の本当の価値はなんでしょうか。
僕は、転職エージェントをやる傍、このような勉強をし、自らの使命に従って生きている感覚があります。
転職なんて、表面的な課題解決にしかならない、と僕は思っています。
そのため「なぜ働くのか」「なぜ生きるのか」についての答えを知り、多くの方に伝えたいのです。
あなたの使命は何でしょう?
自律性
自己実現者は物理的環境や社会的環境から比較的独立しているという特徴を持ちます。彼らが興味を持つのは自分自身のたゆみない成長です。そのため、自分自身が持つ可能性と潜在能力を頼りにします。結果、外部依存的ではなく、環境から独立する傾向が強まります。
上記から、自己実現者は、外部環境を言い訳にしない人のことと示されています。
自己実現者は、自分の内部からエネルギーを生み出すことができます。
自己実現を目指すと、上記の3つを含めた合計15の特徴に自然と当てはまるそうです。
自分自身が、まっすぐに自己実現に向かっているのか、この特徴に◯をつけながらチェックしてみても良いかもしれせん。
まとめ
うまくまとめられませんが、この本を読んだ価値は非常に高かったです。
人間は、ただ生きるための生物ではないこと。成長することによって、より人間らしく幸せになると言うこと。
その過程に、「欲求の階層」が存在すること。
自己実現者には、意思があれば誰でもなれること。
この自己実現に向かう思想は、低次の欲求を自然と満たせる時代・環境下にいる僕たちが、幸せになるために持つべき思想なのかと思いました。
この日本に住んでいて、命の危機を感じることはほとんどありません。
所属と愛の欲求についても、学校、会社、家族がいることで多くの人が満たされてそうです。
僕たちは承認の欲求を乗り越え、自己実現に向かって生きられるチャンスがあります。
インターネットの普及によって、その承認の欲求を満たすのが難しくなっているのが、今の社会になっているのかもしれませんが。。
まだまだ勉強するぞ。ではまた。